国境の安全:私たちが共有する境界を共に守る
本報告は、カナダと米国の国境安全保障協力における最新の戦略、行動枠組み、技術導入について深く分析し、フェンタニル密輸、銃器販売、不法移民、および国際的な組織犯罪といった重要課題への共同対応に焦点を当てています。
Detail
Published
23/12/2025
主要な章タイトル一覧
- カナダの国境警備強化
- フェンタニル取引の検知と対策
- 法執行機関への新たな重要ツールの提供
- 運用調整の強化
- 情報共有の拡大
- 不必要な国境通過量の削減
- 麻薬密輸の取り締まり
- 銃器密輸の防止
- 不法移民と人身取引への対応
- 2024年 フェンタニル押収及び不法越境データ
- 我々の共通目標
文書概要
本報告書は、世界最長の陸路国境の安全を維持するためのカナダと米国間の最新の協力状況と戦略的アップグレードを体系的に評価するものです。一日あたり約40万人の人的流動、250億ドルの貿易額を誇る重要な通路として、カナダ・米国国境の安全性と効率性は北米全体の繁栄と安定にとって極めて重要です。本報告書は、2024年末から2025年初頭にかけて公表された最新の政策文書と行動データに基づき、専門的な読者に対し、二国間の国境安全ガバナンスメカニズムの進化に関する権威ある分析を提供することを目的としています。
報告書はまず、カナダが2024年12月に発表した国境安全強化行動計画について詳細に説明します。この計画は、人工知能、ポータブルX線装置、新規化学検知ツールを活用したフェンタニルなどの違法薬物取引への精密な対策、航空情報タスクフォースの設置及び出入国港施設の権限拡大による法執行機関の能力強化、カナダ・米国合同対策部隊と3つの地域ハブの設立による越境作戦調整能力の顕著な向上、米国及び国際パートナーとの情報共有の深化による高リスク人物・貨物の阻止、旗竿迂回の終了や渡航文書管理の強化などの措置による国境人流管理の最適化と不必要な流動の削減という、5つの柱を中心に構築されています。
報告書は、具体的な安全保障上の課題に対処する二国間協力の実践と成果を深く分析します。麻薬問題に関しては、フェンタニル乱用危機が両国に甚大な被害をもたらしているものの、データはカナダが米国におけるフェンタニルの主要な供給源ではないことを示しています。報告書は、北米麻薬対話や三ヶ国フェンタニル委員会などのメカニズムを通じて、中国に由来するフェンタニル前駆体化学品という共通の課題に共同で対処していることを強調します。銃器密輸に関しては、越境銃器特別作業部会やプロジェクト・マネーパンサーなどの合同作戦の成功事例を紹介し、2023年にカナダで押収された銃器の79%が米国に遡及可能であることを指摘し、供給源の管理と協調的な追跡の重要性を浮き彫りにしています。
不法移民と人身取引の分野では、報告書は「安全な第三国協定」の適用範囲が陸地国境全体(五大湖などの内陸水路を含む)に拡大されたことによる政策的影響を分析します。報告書は具体的なデータを引用し、カナダがメキシコ国民に対する一部の査証要件の再導入、査証審査の強化、不正行為への取り組み強化などの措置により、カナダ経由で米国に不法に入国するメキシコ人の流れを約70%減少させ、2024年下半期には非真正訪問者による米国への不法入国数を89%削減したことを説明しています。同時に、カナダ王立騎馬警察が100人以上が関与する越境人身取引グループの摘発に成功した事例を挙げ、法執行協力の有効性を示しています。
報告書は最後に、二国間協力の究極の目標を再確認します。それは、合法的な貿易と旅行に対しては国境を開放しつつ、テロリストと犯罪者に対しては閉ざすことです。緊密な日常的な法執行と情報協力を通じて、両国は北米周縁の安全を維持するために共同で取り組んでおり、「安全なカナダの国境は安全な米国の国境である」という相互依存的な安全保障理念を体現しています。本報告書は、現代の複雑な越境安全保障上の脅威に対する二国間対応モデルを理解する上で、詳細な事例とデータによる裏付けを提供します。